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革職人正岡佑基のメッセージ ~ vol1 完成への軌跡 ~


使い手として開発に協力いただいたPENGURI LEATHER AND FABRIC の革職人 正岡佑基 氏 。

まさに、このナイフは、正岡さんが使いやすいように作ったナイフと言っても過言ではありません。すべてのリクエストに応えてきたつもりです。

クラウドファンディングの最終章として、ご本人から直接、その開発への想い、語っていただきました。

3部構成になっております。是非ご覧ください。


Vol 1. 完成への軌跡

Vol 2. こだわり抜く

Vol 3. 曲線を極める


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FEDECAレザークラフトナイフをご支援頂いた皆様、ご検討頂いている皆様、ありがとうございます!

FEDECAと共同してレザークラフトナイフの開発に当たらせて頂いた、PENGURI LEATHER AND FABRICの正岡です。

今回は、このナイフの誕生に至る経緯と、この形に込められた意図について、使い手目線からどっさりお話ししたいと思います!


革を切るための刃物


革を切るための刃物と言えば、レザークラフトに興味のある方なら、革包丁という道具を御存知でしょう。スクレイパーのような四角い大きな刃に、ガップリ握る柄の付いた、独特な形状の刃物です。


私が初心者の頃に見たレザークラフトの教本には、大抵この革包丁を逆手に握って革を裁断している写真が載っていたので、とりあえず自分も使ってみました。そして、程無く一つの結論に達します。これ、難しすぎる、と。まさに見たまんま、想像通りの使い勝手。とにかく扱いが難しいんです。


雑な言い方ですが、革は紙や布、プラ板などと同類のシート状の素材です。他素材を扱う方で、こんな形状の刃物で精密なカット作業をしている方はいないと思います。


私は早々に革包丁による裁断をあきらめ、刃物難民と化してレザークラフトを続けていくのですが、その中で、結構な割合の人が革の裁断の全てを革包丁でやっているわけではないことを知りました。


一方、やはり革包丁にはレザークラフトに欠かせない役割があることにも気付きました。革の厚みをそぎ落とす、漉きという工程、積み重ねた革をノミやカンナのように成形し、整える工程など、革の持つ厚み、立体としての側面を加工するには非常に優秀な、理にかなった道具なのです。


私見ですが、革包丁とはレザークラフト特有の漉き、削る作業、厚く硬い革の直線裁ち、粗裁ちには適性がありますが、シートとしての革の、直線、曲線を交えた精密な裁断をするには習熟のハードルが高すぎる道具なのではないかと思います。

革包丁という道具の存在感と専門性、使いこなすことがステータス、的なカリスマ性は魅力ですが、そのことが、レザークラフト自体の敷居を高く感じさせている一因であり、革を切るためのより使いやすい刃物が生み出されない背景ではないか、と感じます。


刃物難民の日々


さて、そうは言っても一介のレザークラフト屋に過ぎない私、小さなパーツやカーブを精密に切る必要に迫られ、既存の様々な刃物に手を出しました。


カッターナイフは刃の出口の固定が甘く、刃先も直線でカーブに弱い。替え刃式アートナイフはR付きの刃もあるが、剛性が足りず刃がしなり、消耗も早すぎる。木工用の切り出しナイフは刃付けが鈍角過ぎて抵抗が大きく、断面の傾きがひどい。


なかなかしっくりくるものが無い中で、かつてオルファが販売していたテクニックナイフというものに辿り着き、かなり気に入って使い込み、人にも勧めたりしていました。ところがこのナイフ、数年前に廃番になってしまいました。


いよいよ刃物難民となることが確定し、在庫の替え刃を探して買い込んだり、彫刻刀や木工用のノミを改造してみたりしながらも、半ば途方に暮れていました。


FEDECAとの出会い


そんな折、とある販売イベントで知り合ったFEDECAのスタッフA氏に見せてもらった木工用ナイフ。これに、ちょっと改造すれば革用に使える!と喰いついたのがレザークラフトナイフの始まりでした。


譲り受けたナイフを少し改造して使ってみると想像以上に感触がいい。薄手ながら剛性のある鋼材と、鋭角な刃付けは最終形に至るまで共通する長所でした。


藁にもすがる思いで、自分用に刃付けだけ変えた改造ナイフを割増料金で作ってもらえないか…と頼んでみたら、既に木工用ナイフ、キャンプ用ナイフを手掛けていたFEDECAの次のプロジェクトとして、レザークラフト用ナイフを検討したいとの申し出。


正直、この時点では本当に製品化して販売されるとは思っていませんでしたが、とにかく思いのままの革用ナイフを作ってもらえて、どう転んでも試作品は自分の手に入る…。


願ってもない話!と、ここから約2年に渡り、本業のレザークラフトのかたわら、試作ナイフを使い込んでは改良のリクエストを繰り返しました。


徐々に製品化が現実味を帯びてくる中、果たして需要はあるのか?革業界に受け入れられるのだろうかと不安になったり(主にFEDECAスタッフが)しながらも、二十を超える試作を経て、辿り着いた形が、FEDECA レザークラフトナイフです。


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