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​刃物教育への取り組み

​刃物教育を授業に取り入れたい教育関係の皆様へ

「安全ナイフ」を通じた刃物教育の取り組みに対し

  FEDECAはあらゆるご要望に対し、可能な限りお応えします!

・ 刃物を使った授業のカリキュラムについてのアドバイス

・ 刃物を使った安全講習

・作り手の想いを伝える出張授業                                  … etc

取り組み実績

・  近畿大学付属中学校 技術科の授業にて「安全ナイフ」が導入されました。

・  iTunes Uを使用したスプーンづくりの実習を実施。そのカリキュラム作成にあたり

   技術面でのアドバイス、動画・画像コンテンツの提供。

・  大阪府教育委員会主催、近畿大学が実施する技術科単位認定講習にて、

   安全ナイフを使用した使い方講習、出張授業を実施。

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​刃物教育に最適な安全ナイフ

「誰もが、削るを楽しみ、刃物に親しんでもらえる環境を、教育を通じて提供したい!!」

  それを実現するために開発したのがFEDECA「安全ナイフ」です。

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​誰もが扱えるように。

『誰もが、削るを楽しみ、刃物に親しんでもらえる』ナイフ。

ここには3つの言葉が含まれております。

まず「誰もが」という言葉には、初心者から経験者まで、

老若男女みんなが安心して楽しく使えるようなナイフにしたいという想いがあります。

このナイフには、安全ガードが挟み込んでいる構造になっております。

これがあることで刃が直接手に触れないし刺さらないけれども、ガードの間で削ることができます。

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これは、ワークショップで木削りを楽しんだ親子が、

家に帰っても安心して木削りを体験できるように考えた構造です。 鉛筆削りからでもいいんです。

 

せっかく知った木削りの楽しさを、ご家庭でも親子で安心して楽しんで欲しい!

そんな思いで開発しました。

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そしてお子さんが刃物を扱う手つきが慣れてきたら、ガードを外して、

クラフトナイフとして更に上のレベルを目指していけるようにもしております。

 

まさに老若男女問わず楽しめるナイフなんです。

削るは楽しい。

次に「削るを楽しむ」という言葉です。自分の思うように刃を操作し、

木を削ることができるようになったら楽しいですよね。

楽しむためには木の削り方の基本を知ることが大事です。

私たちが考える削り方の基本。(それは刃をいかに制御するか)にあります。

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ナイフを利き手で持ち、削る材料を利き手と反対の手で持ちます。

そしてその手の親指をナイフの背に添えて、この親指の動く範囲でまずは木を削っていく。

 

こうすることで「刃を制御すること」の感覚を身に着けてもらうことができます。

 

そのために、刃の背中の部分に窪みを設けて、ここに親指を常に添えておくんだよ!

と意識ができるよう、親指がナイフにフィットするような構造にしております。

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また、気持ちよく木を削れるように刃付けにも細かな工夫を施しています。

工夫の積み重ねの結果、刃付けだけでもこれだけ数多くの工程を経て作られております。

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切れる刃物で木を削る事ってすごく大事なんです。安全性、作業性が格段に向上します。

その感覚をつかんでいただきたい。そんな思いでこれだけの手間暇をかけているんです。

刃物に慣れ親しんでもらいたい。

木を削って楽しんでもらうこと、

そしてできれば、研いで長く大切に扱ってほしいという思いがそこにはあります。

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このナイフには日立金属の「青紙2号」という、本職向けの高級鋼材を使用しております。

刃持ちがよく、研ぎやすい鋼材で、鑿、鉋、和包丁などに使用されています。

大工さん、料理人といったプロフェッショナルに昔から愛されている鋼材です。

刃がちびて無くなるまで使える一生ものの鋼材なんです。

 

一つの道具を長く大切に使い切る、そうした感覚も是非持ってもらいたい

と思い敢えてこの材料を使っています。

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また、このナイフのハンドル、これを自分で削って手にフィットさせることもできるんです。

ハンドルの木材はネジ止めされているだけです。それをナイフ本体で削って、

自分の手に馴染んだ世界に一つだけのオリジナルナイフが作ることができます。

 

自分で手を掛けて道具を自分仕様にしていくって、すごく嬉しくないですか?

 

道具への愛着を持ってもらう一番のポイントだと思っております。

 

このようにとってもシンプルなナイフなんですが、

私たちの思想が目一杯詰まったナイフなんです。

安全ナイフ
刃物教育への想い

刃物教育への想い

​ワークショップの取組み

私たちは大工道具の産地「三木」の刃物ブランドとして、木を削ってモノを作るワークショップを 2016年ごろから開催してきました。

スプーンやお箸、マグカップ、馬の置物、そしてナイフなどなど、

さまざまな削って作るワークショップを開催してきました。

3年間で延べ500名以上の方にご参加頂いております。

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そうした取り組みの中で、気づくことがありました。

 

鉛筆すら削ったことが無いお子さんが多いこと、

そしてその親御さん自体も刃物で木を削った経験がない方が多いという現状です。

 

それは刃物に対する想像力の欠如という形であらわれている気がします。

刃先を包丁のようにして木を切ろうとしたり、振り回してしまったり

そもそも刃先を触れたら切れるということや、どこが刃になっているか分からないなど、

少し考えたら分かることが想像できないお子さんが多いんです。

刃物を知ることの大切さ

1960年代ごろまでは、当たり前のようにみんな刃物を使って鉛筆を削ったり、

放課後には木や竹を使って遊び道具をつくったりしていました。

しかし、刃物を使った凶悪な事件をきっかけに、子供に危険な刃物を持たせないという

運動が全国の主婦や学校で広まり、教育現場から刃物を見る機会がほとんど無くなってしまいました。

昔は親から子供へ、家庭の中で刃物を扱うことが自然と受け継がれたのだと思います。

怪我をしたり、切ったりして、痛みを知りながら、

暮らしの中で身をもって正しい使い方を学んでいったのだと思います。

 

でもこうした伝承が断絶してしまっております。

 

刃物は恐いモノだから持つのはやめよう。

そして、刃物で子供に怪我をされたら大変だ。

 

本当にこれでいいのでしょうか?

 

刃物や火を扱うことって人としての営みの全ての根源だと思うんです。

ところが火を触ると熱い、刃先を触ると痛いといった経験すらしていない子供が多い。

火や刃物に向き合った時にどうしたらよいかがわからない。

過度に文明に依存しすぎることって危険ではないでしょうか?

​刃物に親しんでもらうために

私たちは、仕事がら様々なイベントでナイフのプロモーションを行っております。

刃物に親しんでもらいたい。そんな思いで可能な限り、

ナイフをガラスケースにしまわずそのまま並べて、手に取ってもらえるようにしております。

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そうすると子供が興味を持って触りたがるんです。

それを必ず親が止めに入ります「危ないから触らないで」と。

これは仕方ないことです。でも子供は恨めしそうな目でナイフを見つめます。

そんな時、私たちはそのお子さんに、ナイフの安全な取り扱い方を教えます。

単にケースから刃を出し入れするという単純な動作だけでも、

子供の目はそれだけで輝くものなんです。

「だったらこうしてみたら?」

あたまから否定するのではなく、

「だったらこうしてみたら」という姿勢が大切だと思っています。

「危ないからダメ!」とか、「お前にはまだ早い、無理だ!」とか言われて、

小さいころあきらめてきたことって沢山あると思うんです。

 

先日、見学させていただいた中学校の授業でのこと。

その学校では、木を削ってスプーン製作をする授業をおこなっておりました。

夏休み前の短縮授業の日の午後、予習を目的とした補講授業ということで

授業から遅れている子、作るのが楽しいから自発的に参加する子、

こだわって作りたい子などが様々な目的で自由に参加されてました。

 

iPad内の教材アプリで製作工程を確認しながらひとりひとりが

自分の判断で作業をすすめていくことが できるようになっていました。

でも「先生、次どうしたらいいの?」「先生おしえて。」という質問がとても沢山ありました。

そして先生がくるまで、生徒は待っているんです。

 

もちろん、勝手に進めるのって不安なものです。

失敗したくない。って気持ちが強く働いてしまいます。それによって授業で遅れる可能性もあり、 みんなと違う状況に置かれることがすごく恐いんです。

 

そんな中、担当の先生がすごく印象的なお話しをされていました。

「私は生徒が失敗してもいいと思っているんです。失敗したらまた一からやり直せばいい。

だからこうして、普通はやらない予習授業をおこなっているんです。」

 

また、こんなこともおっしゃっていました。

 

「できる子はどんどん進めていったらいい。そのかわり、終わったら遅れている子のフォローを

してあげてなと、みんなに言うんです。私は、協働、協力して働く、

みんなが助け合って協力することの大切さを伝えたいんです。」

 

わたしはその言葉にとても感銘を受けました。

 

学問はそもそも社会の問題を解決するために人類が生み出したもの。

誰かに評価されるモノではないと思います。

 

では教育とは何でしょうか?

失敗や責任の避け方という要領の良い生き方を学ぶためのハウツーではないはずです。

もともとは、致命的な失敗を安全に経験させるためのものだと思います。

失敗という経験をさせることも、大切な教育。

でも失敗をマイナスととらえる大人が沢山います。

そういう人たちがみんなの可能性や自信を奪ってしまったんだと思います。

 

失敗してもいい。

また一からやればいい。

時間も沢山ある。

できなければ、できる子に助けてもらったらいい。

 

こういうスタンスで、子供達の自己肯定感を養うことって、

今の時代だからこそ本当に必要だと思うんです。

 

また、なんでも生産性で測られることが多い時代です。

そんな世の中に生きづらさを感じている人も多いと思います。

だから、木を削ったり、焚き火をしたりする、

非生産的なことをして心の均衡を図るって大事なことだと思うんです。

心にゆとりが持てると、すごくしあわせな気持ちになりますよね。

「刃物教育」の普及を目指す仲間を募集しています!

私たちは、刃物を暮らしに、そして教育の中にもう一度取り戻したいと思っております。

そんなことに真剣に取り組んでいるひとって殆どいないと思います。

でも、こうしたやったことないことをやりたがる人、あきらめ無い人、工夫する人が増えたら、

世の中良くなると思いませんか?

 

私たちの「刃物教育を復活させたい!」という試み。

まだまだ課題も多く、発展途上です。 できていないこと、足りないところがあると思います。

そうしたところを補いあい、助け合える仲間を少しでも増やしていきたい思っております。

 

足りないことを出来ていないことを馬鹿にしてはいけない。

そういうところがあるから人は助け合って生きていける。

 

私たちはそれが大事なんだと思っております。

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