「木と鉄の文化の継承」
日本は古来より木と鉄の密接な関係に基づいて文化を育んできました。
砂鉄と木炭をもとに、純度の高い鋼を生産する日本古来の製鉄法「たたら製鉄」、
そしてそれを原料とし、世界最高の鉄刀と呼ばれる「日本刀」を生み出した刃物文化。
現代においても、刃物は道具として木や竹を切ったり、削ったり、生活の中で欠くことのできない存在です。
しかし、最近では便利で安全な道具にとってかわられ、
私たちの生活で刃物を使用する機会が大きく減少してしまいました。
日本には刃物の伝統製法を引き継ぎ深化させる、素晴らしい技術をもった鍛冶師の方々がたくさんいます。
そうした技術を次の世代につなげていく。
そのためには、もう一度、「切ること」「削ること」といったモノづくりの基本となる動作の大切さを見直し、多くの人に、刃物で物を作ることの楽しみや喜びを感じていただきたい。そして、刃物を身近に親しんでいただきたい。
今のライフスタイルにあわせた形で、刃物の需要を喚起し、木と鉄により育まれた刃物文化を次の世代に継承する。
これが、私たちが2015年に"FEDECA"を立ち上げた際に掲げたミッションです。
VISION
「刃物で遊ぶ文化をつくる」
では、刃物を使う文化を次の世代に継承していくためにはどうしたらよいか?
設立以来、全国様々な場所で、ワークショップや体験を通じた刃物の啓蒙活動を行い、
現代の人が刃物を無理なく楽しく自然に使い続けられる手段を模索し続けてきました。
そして2020年、私たちは「刃物で遊ぶ文化をつくる」ことに、自分たちのビジョンを見出しました。
日々の暮らしから刃物が姿を消しつつある今、「刃物で遊ぶ文化」をつくり出すためには、
大工さんや料理人の皆さんのように仕事として職人のように極めていく刃物に加え、
趣味として誰しもが楽しめる刃物が不可欠です。
そして、アートやスポーツのように、 修練を重ねて高い価値を生み出せるプロフェッショナルだけでなく、 誰もが刃物を気軽に楽しむ社会を実現する。
私たちは、「人間の生きる力」を育む刃物の可能性を信じています。
木を削ったり、食材を調理するといった、刃物一つで自然の恵みを加工する行為は、人としての営みの根源だからです。
刃物は自然との大切な接点です。
人は自然と距離をひらきつつある今、自然に対し誤った判断をたくさんし始めています。
自然は眺めているだけではその尊さはわかりません。
木を削る、魚を捌くといった原始的行為を通じて、はじめて自然と密に関わることができます。
だから、私たちFEDECAは、その原始的で未来に無くてはならない体験の本質を、
体と刃物一つの原始的で高度な遊びを通じ、未来へつなげてまいります。
VALUE
「すべての人の刃物体験を応援する」
本来どんな人の心の中にも、
『刃物を思うように扱いたい』という願望が存在していると私たちは信じています。
「お母さんのように上手にリンゴの皮むきをしてみたいな…」
「あの大工さんのように木を削っていろんなものを作れたらカッコいいな…」
など、刃物を使った美しい所作に誰もが一度は憧れを持ったことがあるのではないでしょうか。
しかし、
「刃物は危ないから触っちゃダメ、まだ早い。」
「お前は不器用だから無理だ。」
幼少期に掛けられたそんな言葉にくじかれて、
「刃物は危険なもの、犯罪で使う恐いもの」
「刃物を扱うことは素人には難しい」
そんな潜在意識が植えつけられ、多くの人が刃物を
挑戦する気持ちを諦めてしまっているのだと思います。
趣味として誰もが刃物を楽しめるようにするためには、
誰もが使いやすい刃物を開発することに加え、
多くの人の「刃物を思うように扱ってみたい」という潜在意識を掘り起こすきっかけを作り、
その挑戦を全面的にサポートすることが大切です。
思わず手に取りたくなる、使ってみたくなる刃物製品を開発し、
刃物の楽しみ方、上手な付き合い方を提案し全力で応援し続けること。
『全ての人の刃物体験を応援する』
それが私たちの事業コンセプトであり、
私たちが世の中に提供するバリューです。