ロゴ.png

革職人正岡佑基のメッセージ ~ vol2 こだわり抜く~



私たちの自信作、FEDECA レザークラフトナイフが、なぜ、この形なのか。こだわりのポイントごとにご紹介します。


鋼材


理想のレザークラフト用ナイフを考えたとき、まず頭に浮かんだのは使い捨ての替え刃式ナイフではなく、こまめに研ぎながら長く使える刃物でした。

これは道具としての愛着という要素以上に、鋭利な切れ味が求められつつ、消耗も激しいレザークラフトという用途には、ベストの切れ味から、消耗して、妥協の切れ味、限界、交換というサイクルよりも、ベスト、ちょっと落ちる、すぐにタッチアップ、という運用のほうが相性が良いから。

1.5㎜厚安来鋼青紙二号、という素材の名前は後から聞いて知りましたが、薄手ながら十分な剛性を持ち、素晴らしい切れ味と、その持続性、タッチアップによる回復の速さを兼ね備えています。

この鋼材に惚れ込んだことが、レザークラフトナイフの出発点でした。



刃付け


刃付けは最も多くのこだわりを詰め込んだ部分。各要素ごとに解説します。


1、刃付け角度

まずは見てほしいのが超鋭角な刃付け角度!わずか1.5㎜厚の刃ながら、鎬から刃先までのこの距離は驚異的です。切れ味に直結する要素であることに加え、断面の角度を正確にコントロールせねばならないレザークラフトに最高の使い勝手をもたらします。

開発中、生産性の観点から若干この刃付け角度を鈍角にしたサンプルを提案されましたが、絶対に譲れませんでした。

聞けばこの刃付け、FEDECAにも一人しかできる職人がいない、熟練のみならず天賦の才までが要求される仕事だそうです。


2、切っ先形状

鋭く、コンパクトながら安心して力を込められる切っ先は、高い切断力と精密な操作性を両立します。特に曲線のカットでは、革にかかるストレスが小さいため、なめらかなカーブを描きやすく、一旦止まっての再スタートも楽々です。

また、カット中に視線が追うポイントと切っ先の位置がピッタリ一致するよう、絶妙な形状に調整しています。


3、刃渡り

シート状の素材としての革を切ることに特化し、持ち手を極力切っ先に近付けられるよう、23㎜のコンパクトな刃渡りです。厚手の革にも十分対応でき、思いのままの精密なコントロールが可能です。


4、R形状

地味ながら便利なのが、刃の腹部分の緩やかなR形状。革の角を丸めて小さなRを作りたい時など、ストンと垂直に切り落とす、直線刃ではまねのできない快適さで極小の整形作業が可能です。


5、刃付け方向

感覚的には両刃に近いほどの鋭角な刃付けですが、このナイフは片刃です。そして正面に構えた時に、鎬面は右側になっています。

開発途中、ベテランのレザークラフトマンに試作品を触ってもらい、「刃付けが逆ですよ」と言われたことがあります。

自分でもびっくりするくらい革包丁の事が頭から消えていたので、指摘されるまで気付きませんでした。この刃付け方向、革包丁の逆になっています。

自分が間違っているのか?いや実際に革は切れる、どんな刃物より正確に切れる!でも革業界に受け入れてもらえないのでは…。

正直言って不安にはなりましたが、落ち着いて自分の使い方を見直してみると、革包丁とは全く違った理合いによってこのナイフが働いていることに気付きました。

革包丁に慣れ親しんだ方には、このレザークラフトナイフは反逆児と映るかもしれません。それでも、一旦頭を白紙にしてでも試してもらいたい機能性が、このナイフにはあります。

その使い方については、別の項目で説明致します。


6、グリップ

刃と一体の鋼材でできたナイフ全体を、ウォルナット材のグリップで挟み込んだサンドイッチ構造のため、文字通り、刃そのものをつかんでいる剛性感、一体感のある操作性を実現しています。

子持ちししゃもかグッピーみたいな特徴的なおなかのふくらみは、曲線を切る際に、人差し指と中指で上下から挟み込むようにホールドすることで、確実に切っ先へ力を伝えます。

また、全体のボリュームを丸棒に近付けることで、きりもみ方向の角度のコントロールがスムーズに行えます。



次のページ

Vol3. 正岡流 レザークラフトナイフの使い方 ⇒

0回の閲覧
ロゴ.png
  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube

© FEDECA